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施工の様子や、木材・宮大工の技についての
あれこれを綴ります。

揚屋・曳家

こんにちは。
最近は二件の揚屋を行っているので、少し曳家に書いてみようと思います。
予備知識としまして、曳家(ひきや)というのは、簡単に言えば、家を持ち上げて移動する事します。(家引き、ともいう)

曳家は、昔から行われていまして、区画整理の時や、敷地内で住宅也家の建築物を動かしたいときに使われています。
(えっ?家って動かせるの?地震とかで動いちゃう事(沈下、地盤が動く)っていう話は聞くけど自分で動かすことができるの?って思いますが、曳家は立派な建築工法の一種になります。続きまして揚屋(あげや)というのは、簡単に言えば、建物を移動させるには、土台や基礎の部分から上を持ち上げなければなりません。その持ち上げた状態を揚屋と呼びます。

それでは、最近の曳家?今回は揚屋と呼ばれるの工法についてです。

揚屋を行う上で、柱の構造体を表さなければなりませんので、柱廻りの壁を壊します。壁から500㎜位の間隔を開けた場所に、地面を叩き固めた上に枕木(100×100×1000m位の角材)を井桁上に組み、柱の下部の当りまで積み上げます。
そのうえで、柱周りに仮補強や倒壊することを防ぐために、梁・桁などの長物の木材を各柱に括り付けます。括り付ける方法も多種多様にあるのですが、今回は桁と柱を交差するように設置し養生用の木材を柱に付け、桁にカメと呼ばれる緩衝材を軸に回しワイヤーでカケヤを使い締め上げます。(上腰工法)

締め上げた梁・桁を井桁上に組んだ枕木の上に設置したジャッキを使い持ち上げます。
ジャッキを交互、又は2・3カ所一緒に、家の構造体に過剰な力がかからない様に持ち上げていきます。

この揚屋をやった事によって、建物は宙に浮いた状態に固定されます。
固定された状態のまま、基礎、土台を作成し取り換えていきます。

基礎に工事はこの後に行います。

ベースコンクリート流し込み、基礎工事に移ります。

それでは、次回。